2016
12.30

2016年映画ベストを出してみよう。@キネマ・アイランド

Category: 映画話
やれやれだぜ。てくのすけです。

もうすぐ2016年も終わろうとしています。年末と言えば?そう、「今年こそはもっと早く年賀状書こうと思ってたのにーッ!」と焦る時期ですね。じゃなくて(もう出しました)、毎年恒例、映画好きたちが年間ベスト映画を発表する時期です。時間がなくて年内に観た劇場新作すべての感想を書き終えてないんですが、もうしょうがない!やっちゃおう!……って昨年のベストの時も同じような事を言ってましたが、今年はまだ6本も残ってる……そちらは近日中に泣きながら書く予定ですのでご容赦を。

ベスト対象は今年の1月1日~12月30日のあいだに「映画館で観た新作映画」になります。2回以上観た重複分やリバイバル分を除くと、今年観た本数は138本。去年と変わらないですね。忙しかったわりには多いなあ。母数が増えるとそれだけ選別に苦労するんですけど、そこは好きで観てるのでしょうがないし、やはり観てみないとわからない作品ってのはありますからね。毎年「なんでこんなツラい思いして順位付けなんて」とか「皆いい子たちなのに!」とか「あ、鏡餅をまだ買ってなかった」とか色々思うわけですが、自分の中で整理して一区切り付けることで、また来年からも色々観ていこうという思いにも繋がるわけですよ。

2016年上半期ベストはこちら。
2016年映画・上半期ベストテンを出してみよう。@キネマ・アイランド

昨年のベストはこちら。
2015年映画ベストを出してみよう。@キネマ・アイランド

今年の傾向としては、邦画が実に高レベルの作品が多かったです。いっそ邦画と洋画を分けてランキングしようかとも思いましたが、どちらも同じく映画なのでやはり同じ舞台に並べることにしました。アニメ作品も素晴らしいものが色々ありましたね。あとホラーやスリラーで工夫に満ちた面白い作品が多かったのも特徴でしょう。アメコミ映画や日本のコミック実写化映画も目立ちました。

選択の基準は「自分が好きかどうか」であり、作品の完成度や世間の評判とはズレてることもあることでしょう。まあ個人の感想だから当たり前ですけど。迷ったときは「繰り返し観たくなるかどうか」、それでも迷ったら「勢い」で決めてます。詳しい感想はリンク先からどうぞ。

前置きが長い!というわけで、てくのすけの「2016年映画ベストテン」は以下のようになりました!



1. ちはやふる 上の句/下の句
2. ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
3. この世界の片隅に
4. シン・ゴジラ
5. シビル・ウォー キャプテン・アメリカ
6. 君の名は。
7. 聲の形
8. スター・トレック BEYOND
9. ドント・ブリーズ
10. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場




1. ちはやふる 上の句/下の句
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今年の1位は相当悩んだ結果、コミック実写化の二部作『ちはやふる』を上の句・下の句の合わせ技1位という変則で。こんな青春ど真ん中ストーリーを選ぶとは自分でも意外だし、ああ、スター・ウォーズを抑えて1位にしてしまった……という思いもなくはないですが、やはり好きなのです。かるた競技のアクション性と、歌に込められた意味を汲む文化性の両立。大切なものを知りチームとなる団体競技、個々での悩みや自分との戦いを描く個人競技という二面性。そして千早を挟んだ太一と新の関係性。様々な両極をエモーショナルに描ききり、かつ原作を崩さず再構築した出来は本当に素晴らしいです。

歌の想いを取りに行け。『ちはやふる -上の句-』感想。
イメージを力と成せ。『ちはやふる -下の句-』感想。


2. ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー
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スピンオフと言いながらナンバリング・エピソードに更なる深みを与えた、というのがとにかく素晴らしい。スカイウォーカー家の縛りから離れたところで、サーガの間を繋ぐ名もなき者たちの悲哀と希望には、スター・ウォーズ史上最高の感動があります。多少の歪さはあるものの、観たかったもの以上のものを見せてくれた結果には唸るしかありません。May the force be with us.

はみ出し者が紡ぐ歴史。『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』感想(その1)。
最高な点をひたすら上げていこう。『ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー』感想(その2)。


3. この世界の片隅に
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市井の人々から見た戦争が描かれたのはこの作品が初めてではないですが、ここまで「日常」の力強さを、しかも戦時中にも関わらず「笑い」を中心に描いたものはないのでは。取り返しのつかない喪失を、人はどう乗り越えるのか。そんな難題を、でも生きていれば腹も減るのだということを、そして希望を持って生きていくことの尊さを見せてくれる。細部までこだわり抜いた作りからも製作陣の情熱が伝わります。なんと力のある映画だろう。

普通であること、愛しきこと。『この世界の片隅に』感想。


4. シン・ゴジラ
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12年ぶりに日本で作られたゴジラ、監督は庵野秀明、そんな期待と不安がない交ぜのなかで、これほど凄いゴジラ映画を見せられるとは。これが本当に観たかった怪獣映画だ、というよりは、僕らが観たかったのはこういう怪獣映画だったのか、と気付かせてくれた感じ。単なる興奮を遥かに越える次元で提示された未知の産物であり、知的興奮とスペクタクル、人間の強さと未来まで描いた恐るべき傑物なのです。

虚構の力と現実への福音。『シン・ゴジラ』感想。


5. シビル・ウォー キャプテン・アメリカ
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例えヒーロー同士でも、目指す道が一致するとは限らない。そんな「正義」という表現の曖昧さを、ヒーロー同士の激突という壮絶な内輪揉めで示したMCUの新たなる機軸。イデオロギーのぶつかり合いがどこへ向かうのかも素晴らしかったですが、新登場のヒーローたちやアントマンの大・活躍もあって活劇としても申し分なし。複雑さを複雑に見せない、見事な完成度。

激突する信念。『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』感想。


6. 君の名は。
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新海誠監督の作品が興収200億を越え、公開から4ヶ月経つのにいまだに劇場に人が集まる超絶大ヒットになるとは、一体誰が予想できたでしょうか。売れすぎると心が離れる人も多いかもしれませんが、僕はこれ超好きなので。何度観ても飽きないし面白い。それこそ不整合も込みで好きなので、ランキングに入れないわけにはいかないのです。

積み重ね、結び、出会う。『君の名は。』感想。


7. 聲の形
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他人と理解し合うことの困難さ、痛さを、そして楽しさ、愛しさを、傷付き傷付けながらそれでも声にしていく。難しい題材をアニメによる表現を駆使して表現し、心を抉りながらも深く響く素晴らしさにしてくれました。原作からの取捨選択も実に上手い。

声を聞いて、光を求めて。『映画 聲の形』感想。


8. スター・トレック BEYOND
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倦怠を迎えたエンタープライズの旅の途中で、とんでもない危機にぶつかりバラバラになるクルーたち。ダイナミックな画作りに愛すべきキャラたち、そして忘れられた者たちの悲哀と様々な要素を盛り込み、雨降って地固まるカークたちの絆と大活劇にアガりまくり。SFの醍醐味に満ちてます。

過去を越え、悲しみを越えて。『スター・トレック BEYOND』感想。


9. ドント・ブリーズ
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スリラーとしての怖さ、工夫、しつこさ、どれをとっても素晴らしい完成度。盲目でありながら息をすることも忘れさせる恐怖の無双ジジイに、成すすべなく飲み込まれます。

息もできない暗き魔窟。『ドント・ブリーズ』感想。


10. アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
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テロリストへのミサイル攻撃の場所にいる一人の少女を巡り交わされる議論と葛藤、法的見解と軍事的判断のせめぎあい。離れた場所からの攻撃に、果たして罪悪感はないのか?撃つべきか撃たざるべきかの究極の選択に見る現代の戦争。素晴らしい緊張感。

空の目が映さぬ戦争。『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』感想。



いや今年は本当に難しい。上位7本くらいは正直どれが1位でも良かったくらいです。二分木法でどちらが上かを決めていく、とか無理ですよ。まああくまで今時点でのベストなので、一年後に振り返ったらまた違うかもしれません。

11~20位も一言コメントと共に挙げておきます。上半期ベストから時間が経って入れ替わってるものもあります。


11. 海よりもまだ深く
12. アイアムアヒーロー
13. ヒメアノ~ル
14. 死霊館 エンフィールド事件
15. ハドソン川の奇跡
16. シング・ストリート 未来へのうた
17. 貞子vs伽椰子
18. エクス・マキナ
19. X-MEN:アポカリプス
20. ドラゴン・ブレイド



11. 海よりもまだ深く  (→感想)
ダメ中年はダメゆえに何かを失ってしまったけれど、それでも人生は捨てたものじゃないのです。

12. アイアムアヒーロー  (→感想)
ゾンビ邦画の革命。ヒーローの条件は倒すことなじゃない、守ることなのです。

13. ヒメアノ~ル  (→感想)
終わっている者の決して満たされない空虚さと恐ろしさに震えます。構成が見事。

14. 死霊館 エンフィールド事件  (→感想)
霊現象の恐怖表現にはまだ先があった。家族の物語としても秀逸。

15. ハドソン川の奇跡  (→感想)
無駄のない演出と説得力ある構成が、奇跡の生還を必然の帰結へと昇華させます。

16. シング・ストリート 未来へのうた  (→感想)
あいつのような青春を送りたかった、と嫉妬交じりでのめり込みます。音楽も素晴らしい。

17. 貞子vs伽椰子  (→感想)
最凶ヒロイン、奇跡の共演。どっちが怖いかって?どっちも怖えよ!

18. エクス・マキナ  (→感想)
ロボットが魂を得る。それはもはや可能性というレベルを超えているのかもしれない。

19. X-MEN:アポカリプス  (→感想)
過去のいざこざは置いといて、倒せ世紀末覇王!ハゲるのには壮絶な理由があるのだ。

20. ドラゴン・ブレイド  (→感想)
歴史ものとしての壮大さ、熱き男たちのドラマ、それでいて失われないジャッキー映画らしさ。


ついでに21~30位まで。本当はこれらももっと上位にしたいのです。しのびないなあ。感想はリンク先からどうぞ。

21. オデッセイ
22. バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生
23. イット・フォローズ
24. レッドタートル ある島の物語
25. デッドプール
26. ロスト・バケーション
27. オーバー・フェンス
28. COP CAR コップ・カー
29. ゴーストバスターズ
30. ザ・ギフト


おまけで、31~40位まで。こちらも感想はリンク先からどうぞ。

31. 手紙は憶えている
32. 高慢と偏見とゾンビ
33. GANTZ:O
34. キング・オブ・エジプト
35. ブリッジ・オブ・スパイ
36. エンド・オブ・キングダム
37. サウルの息子
38. ザ・ウォーク
39. 帰ってきたヒトラー
40. クリーピー 偽りの隣人


 ※

ここでランキングとは別に、言及したいポイントで絞った特別賞的なものを「ベスト・オブ・○○」として挙げておきましょう。主演男優賞とかそういうまともな感じではなく非常に思い付きっぽい部門が並んでますが、実際思い付きなのでね、まあいいじゃないですか。あれこれ14部門+ワースト、お付き合いください。


★ベスト・オブ・名台詞
『ヒメアノ~ル』より
「お母さーん、麦茶二つ持ってきて」
 (→感想)

『クリーピー 偽りの隣人』の「まだまだ行くぞー!」ともんのすごく悩んだ結果こちらに。あと『キング・オブ・エジプト』の「大合神だ!」と『エンド・オブ・キングダム』の「殺す必要があったのか」「ノー」という二大名言を残したジェラルド・バトラーは凄い(前者は翻訳家が凄いとも言えますが)。名台詞ありまくりなのが『デッドプール』、「WHAM!」とか最高、とか思ってたらまさか同じ年にジョージ・マイケルが亡くなるとは……。『シン・ゴジラ』も名台詞の宝庫ですね。「まずは君が落ち着け」とかね。『デスノート Light up the NEW world』の「ノートが銃に適うわけないだろうが!」は作品へのセルフツッコミという点で素晴らしかったです。


★ベスト・オブ・閉鎖空間
『ルーム』 (→感想)
今年はやけに「閉じ込められる状況」が出てくる作品が多かった気がします。精神的な意味ではなく文字通り物理的にですが、そこに見るのは閉塞感であったり、蹂躙であったり、時に葛藤であったりします。その閉じ込められた場所からの解放がすんなりハッピーになるとは限らない、というのも興味深い。最も切実かつ響いたのが『ルーム』です。また『アイアムアヒーロー』はどこへ行っても閉じ込められているようなもんですが、その中で英雄が閉じこもったロッカーから出ようとするシーンは恐怖と勇気の板挟みに泣ける名シーンでしょう。

他には『ロスト・バケーション』は脱出する手段がないのが怖いですが、『10クローバーフイールド・レーン』は外に何があるのかわからないため出られないというのも怖い。『ミュージアム』の小栗旬は閉じ込められることで色々気付かされます。逆に『エクス・マキナ』は気付いたときには閉じ込められているんですね。自らテレビ局に閉じこもった男を巡る『マネーモンスター』も面白かったです。


★ベスト・オブ・実話
『スポットライト 世紀のスクープ』 (→感想)

実話を元にしたと謳う、あるいはノンフィクションを題材にしたという作品は今年は相当多いですが、その中でも「それが実話とかマジか」という驚きが大きいものと言えばこれでしょうか。恐ろしい事実を執念で暴き出した新聞社チームが熱いです。情熱という点では『ブリッジ・オブ・スパイ』『ザ・ウォーク』も良かったし、ズレてはいるけど『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』も音楽への情熱ですね。

物語を通して知らなかった事実を知るという側面としては、ヒップホップとギャングスタの歴史の一面を見せる『ストレイト・アウタ・コンプトン』、天才的頭脳と人間的欠落を示す『スティーブ・ジョブズ』、名作小説の壮絶な元ネタを描く『白鯨との闘い』、FBI最大の腐敗『ブラック・スキャンダル』、マネーゲームの悲喜劇を見せる『マネー・ショート 華麗なる大逆転』などがありました。

描かれた全てが真実とは言い切れないでしょうが、映画というフィルターを通して見えてくる普遍的なものが響くわけで、そういう意味で『ハドソン川の奇跡』の職務への誇り、『ザ・ブリザード』の命懸けの救出劇、『リリーのすべて』で求める本当の自分、『殿、利息でござる!』の長きに渡る努力などは見応えがありました。また、実話とは違いますが、アウシュビッツという暗黒の歴史に叩き込まれる『サウルの息子』は忘れがたいです。


★ベスト・オブ・アニマル
『レヴェナント 蘇えりし者』の熊 (→感想)

『ロスト・バケーション』のサメもかなりのものでしたが、CGとは思えない自然さと野性味が凄かった『レヴェナント』の熊が優勝。いやマジであんなんに出会ったら思い切り殺られますよ。逆に思い切り癒される熊が『パディントン』ですね。超カワイイ。動物と人間の交流というのも定番ではありますが、『ジャングル・ブック』の着地は結構意外だったと思います。その点『ピートと秘密の友達』は王道ですね。『ターザン:REBORN』のゴリラも良かったですウホ。

動物をメインに据えた作品はアニメに多いですが、大体ハズれないです。『ペット』『ルドルフとイッパイアッテナ』『ひつじのショーン いたずらラマがやってきた!』なども面白かったし『ファインディング・ドリー』は言わずもがな。特殊なのは『ズートピア』で、動物というよりはその属性の違いを通して差別や偏見を描くドラマだったのは驚き。正直あざといけど面白いんだからディズニー恐るべし。


★ベスト・オブ・クリーチャー
『ウォークラフト』のオーク (→感想)

『ウォークラフト』のオークたち、個性豊かで好きなんですよ。『ロード・オブ・ザ・リング』とは異なり、汚なさではなく野性的な感じがイカします。続編作ってほしいなあ。デカさで言えば『モンスターズ 新種襲来』のアレとか『インデペンデンス・デイ リサージェンス』のアレとか『西遊記 孫悟空vs白骨夫人』の白骨夫人などがインパクト大です。『白鯨との闘い』の白鯨もほとんどクリーチャーですね。数で言えば『テラフォーマーズ』のGたちでしょうか。

『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』はどちらかと言えば動物ですが、色々出てきて面白い。またクリーチャーとはちょっと違いますが『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影(シャドウズ)』のタートルズは最高だったし、これまたクリーチャーとはちょっと違う『きかんしゃトーマス 探せ!謎の海賊船と失われた宝物』はなかなかのスペクタクルだったし、クリーチャーとは全然違いますが『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』も最高でした。ってタイトルにクリーチャーって入ってるだけじゃねーか。


★ベスト・オブ・強烈ショット
『エヴォリューション』の海底ショット (→感想)

印象深いショットを挙げようという部門。これは本当に枚挙にいとまがないんですが、『エヴォリューション』序盤の海底ショットは自然の情景なのに美しさと禍々しさが同居しててとても印象深いです。ああでも『ヘイトフル・エイト』も良いショット満載なんだよなー。冒頭のキリスト像の向こうに雪道をやってくる馬車とかなー良いなー。『マジカル・ガール』のトカゲ部屋とか魔法少女の衣装で佇む少女とかも強烈です。主題歌はもっと強烈ですが。『ロブスター』も思い出す場面は結構あるし、『セルフレス 覚醒した記憶』の少なめながらターセム監督らしいショットや『リップヴァンウィンクルの花嫁』の黒木華とCoccoがベッドにいる画、『キャロル』の車窓から見えるケイト・ブランシェットの表情、『エージェント・ウルトラ』のブラックライトに浮かぶジェシー・アイゼンバーグとかも結構印象に残ってます。

ラストショットという観点では、『湯を沸かすほどの熱い愛』は結末に反しての力強さが凄かったし、『Mr.ホームズ 名探偵最後の事件』の老ホームズの姿もやけに印象に残りました。『さらば あぶない刑事』はエンドロール最後のショットが懐かしすぎて泣けます。


★ベスト・オブ・異世界
『蜜のあわれ』 (→感想)

現実から繋がっているファンタジックな世界、その独自の世界観がイイなあ、という部門。『蜜のあわれ』は金魚の化身・二階堂ふみが織り成す不可思議な感じが好きです。そこはかとないエロさもイイ。『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は心優しき巨人がこちらの世界で見せる謁見シーンが最高。『神様メール』はクソ野郎である神の代わりにその娘が家出して奇跡を起こす、という話のわりには説教臭さがなくて楽しいです。『太陽』はファンタジーと言うと語弊がありますが、自分たちとは全く異なる存在と共存できる世界はあるのか、というのが凄まじかったです。ちなみに『素敵なサプライズ ブリュッセルの奇妙な代理店』はファンタジーっぽいけど全く現実の話でした。

逆にガッツリとファンタジー世界なものは、悪くはないけどなんか惜しいというものが多かったですかね。『ウォークラフト』『スノーホワイト 氷の王国』も結構好きだけど、あともう少し……という感が拭えないし、『アリス・イン・ワンダーランド 時間の旅』は既に記憶が薄れかけてたりします……。


★ベスト・オブ・恐怖
『クリーピー 偽りの隣人』の香川照之 (→感想)

今年はホラーやスリラーが大豊作!そういうのは大体公開規模が小さめなので観れてないのも多いですが、ランキングに挙げたものだけでも『ドント・ブリーズ』『アイアムアヒーロー』『死霊館 エンフィールド事件』『貞子vs伽椰子』『イット・フォローズ』と、どれも工夫を凝らした趣向がとても良いです。『高慢と偏見とゾンビ』は元ネタからのアレンジが秀逸だったし、『ライト/オフ』の電気を消す・付けるの演出も捨てがたい。『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のような日本的な恐怖もありますね。『のぞきめ』はいまいちでしたが。そんななか、圧倒的な存在感だったのが香川照之です。Eテレで『香川照之の昆虫すごいぜ!』という、昆虫大好きな香川照之がメスカマキリの着ぐるみを着て昆虫愛を語るという番組があったんですが、『クリーピー 偽りの隣人』の演技は素なのでは、と思ったほど狂ってました(ホメてる)。

変わったところでは人間は怖いけど霊はむしろ守ってくれる『クリムゾン・ピーク』とか、ゾンビものとしては静かでせつなさが際立つシュワの『マギー』などもありました。『ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ』はホラー映画の中に迷い込むという設定の活かし方が実に面白い。あとSNSをやってる人のなかには『何者』もある意味ホラーだったという人も多そうです。


★ベスト・オブ・バカ
『ゴーストバスターズ』のクリス・ヘムズワース (→感想)

ストレートな部門名だな……『ゴーストバスターズ』のケヴィンは見た目を鮮やかに裏切る正真正銘のバカ、でも憎めないというのが良いです。ほか、『ナイト・ビフォア ~俺たちのメリーハングオーバー』の3バカ、『土竜の唄 香港狂騒曲』の生田斗真、『疾風ロンド』の阿部寛、『ヘイル,シーザー!』のジョージ・クルーニー、『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』の鈴木亮平などは見事なバカ演技でした。バカではないけど『超高速!参勤交代リターンズ』なども笑えます。愉快なバカを観てると、笑えるだけでなく癒しにもなると思うのですよ。コメディ映画は心の健康に利きます。


★ベスト・オブ・狂気
『X-ミッション』 (→感想)

「オザキ・エイト」というエクストリーム・スポーツなのか新手の宗教なのか意識高い系のコンセプトなのか、インパクトだけはデカい謎の高みに狂気を感じます。他には『ソーセージ・パーティー』の何でもありな酒池肉林(しかも食品)、『アーロと少年』のピクサーらしからぬラリっぷり、『映画クレヨンしんちゃん 爆睡!ユメミーワールド大突撃』の大和田獏なども狂ってますねー。

真面目方面で言うと、狂気の男を描いた『ブラック・スキャンダル』や、やがて来る狂った時代を予感させる『シークレット・オブ・モンスター』、狂おしいほどの友情を描く『少女』、狂気に巻き込まれる『SCOOP!』などが思い出されます。


★ベスト・オブ・ミステリ
『手紙は憶えている』 (→感想)

ミステリー部門はこれかなあ。『シークレット・オブ・モンスター』も良かったですけどね。途中でネタは割れるけど違う要素で引っ張る『ガール・オン・ザ・トレイン』、マジックとトリックを直結させた『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』、ロボットが人間を襲う謎を描くSF『オートマタ』、ドラマ版ありきではありますが『SHERLOCK 忌まわしき花嫁』あたりも面白かったです。『インフェルノ』『64 ロクヨン 前編/後編』『ダーク・プレイス』は悪くはないけどいまひとつ印象に残りにくい気が。『ジェイソン・ボーン』はアクションですが、お話的には謎を解き明かすものですね。ボーンの謎についてはまだ出し惜しみしてるものもありそうです。


★ベスト・オブ・バイオレンス
『ディーパンの闘い』 (→感想)

バイオレンス描写が凄かった、という部門のつもりでしたが、あえて見せないことでその凄さを見せた『ディーパンの闘い』をチョイス。あとは『ボーダーライン』の殺し合い手前の緊張感とか、終盤のデル・トロも実に良かったです。他には、自分らがギャングまがいとなる『ストレイト・アウタ・コンプトン』、ギャングの取り巻きのために大きな喪失を抱える『サウスポー』、極限状態からの暴力により生き死にが分かれる『レヴェナント 蘇えりし者』、許せない暴力が更なる悲劇を招く『怒り』など。一方で暴力描写がむしろ魅力的なのが『ヘイトフル・エイト』ですね。また、戦争の暴力性を体の欠損で見せる『機動戦士ガンダム ダンダーボルト DECEMBER SKY』もありました。


★ベスト・オブ・小松菜奈
『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』 (→感想)

なんだこの部門は……えーっとですね、小松菜奈ってなんかイイかも、くらいに思ってたら、この作品で完全にやられましてですね。もう超絶可愛い。同監督の『青空エール』(こちらは出てませんが)も結構良かったので作品によるのかもしれませんが、『溺れるナイフ』も良かったし、とにかく今年は出演作が多かったのでもっと追いかけるべきだったと後悔。というわけで特別に部門創設です。『黒崎くんの言いなりになんてならない』はともかく『ヒーローマニア 生活』『ディストラクション・ベイビーズ』を観れてないことが悔やまれるなあ。

2017年にはスコセッシの『沈黙 サイレンス』にも出るらしいし、何と言っても『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』での山岸由花子役があるので、ジョジョ好きとしてはスタンドも月までブッ飛ぶ衝撃を期待したいッ!作品自体が悪い意味でブッ飛んでる可能性も高いですが……。


★ベスト・オブ・おっぱい
『GANTZ:O』 (→感想)

この部門で二次元を挙げてしまうのはちょっと悔しい!悔しいが『GANTZ:O』のおっぱい描写は至高というしかありますまい!ハードスーツのぴっちり感がありつつの揺れ具合の絶妙さ!おっぱい好きを唸らせる表現の極致!(うるさい)『君の名は。』のもみしだくシーンも捨てがたいですが、あれ中身は男だからな……

三次元では『PK(ピーケイ)』のアヌシュカ・シャルマ、『高慢と偏見とゾンビ』のリリー・ジェイムズ、『キング・オブ・エジプト』のコートニー・イートン、『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影(シャドウズ)』のミーガン・フォックス、『メカニック:ワールド・ミッション』のジェシカ・アルバも素晴らしかったです(むっちゃチェックしてる)。


★ワースト
『バイオハザード:ザ・ファイナル』 (→感想)

正直そこまでワーストというものもなかったんですよ。『セーラー服と機関銃 -卒業-』『スーサイド・スクワッド』『真田十勇士』『ミラクル・ニール!』あたりはいまいちではあったけどちょっと擁護したい思いもあったし、あえて言えば初回はわりと面白いと思って2回目観たらなぜか死ぬほどつまらなかった『インデペンデンス・デイ リサージェンス』かなーくらいに思ってたんですが、今年ももう終わろうかというときにこれ。ダントツです。


 ※

今年は以上です。まあ面白い映画の多かったこと。実は今回、今年劇場で観た新作映画のタイトルは全て記事中に登場させてます(のはず)。おかげでエラい長くなりましたが、ランク付けの忍びなさを多少なりとも軽減できたかも。なのでここに名前の出て来ない作品はまだ観てないということでもあります。……えーと、よく考えたら全作に順位付けて並べた方がまだ楽だった、ということにたった今気付きましたよ……

観たかったけど時間が合わないなどの理由で観れなかったものもたくさんありますが、それは追い追いの楽しみに取っておくということで。それでは、2017年も素晴らしい映画にたくさん出会えることを期待しましょう!お付き合いありがとうございました!てくのすけでした。

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