2016
07.19

幽霊退治はヤツらにおまかせ!『ゴーストバスターズ』感想。

Ghostbusters
Ghostbusters / 1984年 アメリカ / 監督:アイヴァン・ライトマン

あらすじ
Who you gonna call?



※レビュー・リクエストいただきました。ありがとうございます!

ベンクマン、レイ、スペングラーの3人は大学で超常現象を研究する科学者。しかし大学を追い出されてしまったため、幽霊退治を行う会社「ゴーストバスターズ」を設立、徐々に認知され始める。一方で謎の巨大な霊体エネルギーがニューヨークの街を覆い始める。果たして彼らは人々を救うことができるのか?というSFコメディ。

超常現象の研究者3人が食うに困って幽霊退治を始めるという、1984年の大ヒットコメディ。大好きな一本です。当時の日本では同時期に『ゴジラ(1984)』『グレムリン』も公開されて「3G」などと呼ばれたりもしました。ゴーストというからには幽霊が出てくるわけですが、そこは別に怖くはないです。古い図書館の狭い通路に現れる老女の霊などはまだ雰囲気ありますが、ホテルに現れるイモみたいな奴(アグリー・リトル・スパッド)とか「こいつ何!?」というものもあって、このユーモラスなゴーストたちというのはポイント。そしておおらかなレイ、理性的なスペングラー、口八丁なベンクマンというキャラの言動や掛け合いが面白い。特にベンクマンは科学者らしさ皆無で、その適当さは高田純次レベルです。あと彼らバスターズのいかにも駆除しますよ的なツナギの制服と、コンパクトながら仰々しい装備が、一見地味だけどイカしてるんですよ。あれって意外と絶妙な衣装デザインですよね。

バスターズを演じるのはビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミスというコメディ界を代表する3人。エイクロイドとライミスは脚本も担当してますね。マーレイは最近では『ヴィンセントが教えてくれたこと』が印象的ですが、敵に回すとめんどくさい男、というのはこの頃からの持ち味ですね。『エイリアン』でリプリーを演じたシガニー・ウィーバーがヒロインのディナ役というのは今では意外な気もしますが、彼女が実はむっちゃ美人だということが改めてよく分かります。と言いながら取り憑かれた表情の方がインパクト大なんですが。リック・モラニスのマヌケな感じもイイ具合にハマってます。ちなみに環境保護局の役人ペック役ウィリアム・アザートンは後に『ダイ・ハード』でレポーター役をやりますが、同じく『ダイ・ハード』黒人警官役のレジナルド・ヴェルジョンソンがバスターズを監獄から連れ出すチョイ役で出てたりします。

独特の緩いホラー感(と言うかモンスター・パニック)でありながら、予想外の熱い展開が待っていたりします。何より観てて楽しい!デザインが秀逸すぎるゴースト禁止マーク、タイトルを聞いただけで脳内にメロディが流れるレイ・パーカーJr.のテーマ曲と相まって、忘れがたい一本です。ニューヨークを守るのはスパイダーマンだけじゃないのですよ。ゴーストを見たら誰に電話する?そう、ゴーストバスターズさ!

↓以下、ネタバレ含む。








図書館の狭い通路、ホテルの廊下という見通しの効かない道で、角を曲がるとゴーストが浮いてるというのが、怖くはないけど非日常感に放り込まれて良いんですよ。で、そんなゴーストに対して最初は会話でアプローチしようとするものの、結局は捕獲という強行手段に出るバスターズ。霊能者ならコミュニケートで解決するんでしょうが、彼らはあくまで退治人なので、ビームどひゃーで取っ捕まえる。この大味さが愉快。逆に言えば対峙するのはたとえ人型であっても話が通じない相手だということであり、あくまで異世界の存在だというのを貫いているんですね。ズールなどは「お前が鍵の神か」と相手構わず聞くし、ゴーザも「神か」に対して「ノー」と答えると電撃ドギャーンと襲ってくるし、見りゃ分かるだろうとは思いますが、あれは邪神のしきたりか何かなんでしょうか。

あと意外とエロさがありますね。シガニー・ウィーバーがズールに捕まるとき、むっちゃ乳触られてるし。門の神、鍵の神が「合体」してゴーザが誕生するというのは、ピュアな少年時代に観たときには「悪魔合体みたいなものかなー」などと思ってましたが、その意味するところを知ったときは軽く衝撃でしたよ。ただリック・モラニスの誰にも相手にされない、レストランで助けを求めても誰にも気にされない冴えない男が、ディナとイイ関係になるのはモテない男の夢と言えなくもない……。夢と言えば、レイが浮遊する霊に精気を奪われそうになるというのは夢だったのか、本当に夢魔だったのかが気になりますが、まあ疲れてたんでしょう。

冷蔵庫から「ズール」という声が聞こえたというけどただの唸り声にしか聞こえないとか、二匹の犬ブタ(by ベンクマン)は最初から隣り合って鎮座してるのにわざわざ人間に憑依して相手を探して合体する理由がよく分からないとか、ちょっと引っ掛からなくもないです。ゴーザがデヴィッド・ボウイみたいとか……それは別にいいんですが。まあ楽しいからそれほど気にならないですけどね。中盤に訪れる解放シーンではそれまでの緩さが一気にヤバさに転じたり、出陣するバスターズにニューヨーク市民が声援を送るシーンに高揚したり、意気揚々と建物に入ったら階段移動というのに笑ったり、結構緩急があって自然とワクワクします。あと必要性が薄く思えるウィンストンの加入が、第三者としてバスターズを語れるうえに黒人の労働者階級が世界を救うという視点を加え、ラストに市民を代表して「ニューヨーク万歳(I love this town)!」を言わせる、というのが上手いところです。

そしてマシュマロマンですよ。プリチーなルック、ビルの屋上から移動する顔が見える巨大感、グギュウという足音、作風ともマッチしたデザイン、たまらんです。ビルの間から姿を現すショットなどは素晴らしく印象的で怪獣映画にもひけをとりません。恐ろしいのに可愛いというアンバランスさがナイス。絶体絶命というところで伏線として温めていたビーム交差でゴーザを倒し、意地悪役人ペックはマシュマロの滝にさらされ、バスターズもマシュマロまみれのなかベンクマンだけ綺麗なまま、と笑いも忘れてません。

科学者3人は超常現象という眉唾のジャンルを研究する、要するに変人たちの集まりです。しかしそんな彼らが大学を追い出されてもめげず、誰も目を付けない得意分野の知識を活かして開業し、徐々にゴーストバスターズとして認知されていく。そうしたピンチをチャンスに変え、プロ集団として生き生きと活躍するようになり、最後は歓声をもって迎えられる、というところも清々しいです。

1989年には続編も公開され(こちらは個人的にはちょっとアレでしたが)、それから27年の時を経ての新作である女性版『ゴーストバスターズ』ももうすぐ公開です。楽しみ!

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