2016
07.18

世代を超える独立への蜂起。『インデペンデンス・デイ:リサージェンス』感想。

Independence_Day_Resurgence
Independence Day: Resurgence / 2016年 アメリカ / 監督:ローランド・エメリッヒ

あらすじ
色々と大盛りです。



かつて侵略してきたエイリアンを撃退し生き延びた人類は、エイリアンの技術を利用して防衛システムを構築し、再度の襲来に備えていた。しかし奴らは人類の想像を凌駕する規模で再び姿を現す……!1996年に公開されたSFパニックムービー『インデペンデンス・デイ』の20年ぶりの続編。

強大すぎる宇宙からの侵略者に、人種を越えた協力と飛行気乗りの気概とITとで打ち勝った前作『インデペンデンス・デイ』から20年、まさかの続編です(最近まさかの続編多いな)。監督も同じくローランド・エメリッヒということで、再びド派手な破壊と熱い物語が繰り広げられます。エイリアンが残した技術を吸収し一気に近未来化したものの、また奴らが攻め込んでくることを懸念して防衛体制強化に余念がない人類。案の定エイリアンがまたやってくるわけですが、同時展開する様々なドラマ、想像以上に用意された見せ場の数々、物量ハンパない空中戦と、前作よりも短い120分にこれでもかと詰め込まれたスペクタクルはもはやサービス過多とさえ言えるほど。

前作の大統領ビル・プルマンやデヴィッド役ジェフ・ゴールドブラムも20年後の姿で続投。ヒラー大尉役のウィル・スミスは出ませんが、代わりに息子のディランら若手が活躍するという、二世代でのドラマも入ってきます。ディランの同期デューク役は『ハンガー・ゲーム』のリアム・ヘムズワースですね。今作は女優陣が粒揃いで、『イット・フォローズ』のマイカ・モンローが超可愛いとか、フランス女優の『ニンフォマニアック』シャルロット・ゲンズブールが出てるのが意外だったり、中国美女パイロットに『TAICHI 太極 ゼロ』『ライズ・オブ・シードラゴン 謎の鉄の爪』のアンジェラベイビーというのがたまりませんな!あと『ホワイトハウス・ダウン』のジョーイ・キングちゃんが16歳のくせにちょっと発育よすぎてけしからんですな!

どうせ大味な映画だろ?くらいに思って観た方がいいタイプの作品ではあります。冷静になって振り返れば色々アラもあるだろうし、何だかんだ貶す人も多いだろうと思うし。が、観た後の感想を率直に述べるなら「最高!フォーーー!」という感じです。前作は観ておいた方が熱さ倍増ですよ。

↓以下、ネタバレ含む。








高速で過ぎ去る宇宙空間を向こうからやってくるタイトル、というのがなんかやたら良くてですね、そこから要塞みたいな新ホワイトハウス、羽のないヘリコなど、エイリアン技術を取り込みすっかり近未来になったワシントンの姿に意表を突かれたのもあって、冒頭からテンション上がってしまいました。自在なアームが付いた戦闘機などのSFギミックもイイ感じ。何より最初に映る慰霊碑に、前作で特攻していったラッセル・ケイスの名があるのを見て「フォォォォ!」と感涙ですよ。前作好きとしてはあの面子がまたスクリーンに登場するだけで結構くるものがあります。ヒゲ面がダンディなホイットモア大統領、相変わらずマイペースなデヴィッド、見た目の変貌ぶりに思わず同一人物か調べてしまったデュランの母ちゃん(同一人物でした)、あと軍のお偉いさんもちょっとだけ顔見せしてましたね。驚いたのはオーキン博士ですよ、まさかあのマッドな博士が生きていたとは。そして予想以上の活躍もさることながら、予告で見た「繋ぐ手」がまさかこの人だったとは。ただ、20年寝たきりだったのにあんなすぐ動けるものだろうか、とは思いますけどね。あとなぜあんな透けパンだったのか。彼氏の趣味だろうか。

他にもツッコみ始めると色々とありますよ。エイリアンは惑星のコアのエネルギーを奪い技術や燃料にするのが侵略の目的だと明かされて、そんなデカい目的なら宇宙船もそりゃデカくなるでしょうが、デカすぎて画面に収まらないからいまひとつ巨大感が分かりにくいですね。いや、惑星の一部を覆い隠すほどだというのは分かるけど、人類の視点になるともう分からない。あれだけ人工的な宇宙船の中に川や草原まであるというのも謎。つーかあそこで立ちションするデュークはさすがにバカすぎないだろうか?エイリアンを素手で殴るというウィル・スミス的な行動には一瞬「おっ!」と思いますが、効いてないしな。あとはエイリアン接触者たちが描くマークが実際の球体(スフィア)と違うくない?とか、ジェフ・ゴールドブラムは前の奥さんどうしたんだとか、まあ引っ掛かる点はあります。何より前作に比べて盛り上げ方が散漫と言うか、山場続きでかえって平坦な印象だし、ちょっと駆け足気味だなあとも思います。

でもそんな引っ掛かりや都合の良さを気にする前に次々と展開していくので、まあいいかと思っちゃいます。独立記念日感は薄いものの、ディランが出陣するときのスピーチや戦闘機が飛び立つなか声援が上がるのは熱いし、エイリアンをナタで倒すというコマンドーな部族長には喝采だし、監査の兄ちゃんがいっぱしの戦士になっていくのは(コメディリリーフではあるものの)一般人も参加して戦うという側面を強調してるし。ジェフ・ゴールドブラムがエイリアンの生態を蜂の巣に例えるというまたもや突飛な発想を披露し、しかも概ね合ってるというところが、都合はいいにしろ天才ぶりを見せてくれてなんかイイ。監視してただけで一億ドルのサルベージ屋たちなんて丸儲けですな。そしてビル・プルマンですよ。前作で戦った元大統領の「運ではなく決意で勝った」と言う言葉の重みに感動し、未来を作る若者たちのために出撃する老兵の趣は、「私が適任だ」という台詞とも相まって、前作で子供たちのために散っていったラッセルの役割も彷彿とさせます。ヒゲを剃って現れたときにダブる前作の姿には「閣下ーー!」と燃えざるを得ません。そりゃあウィリアム・フィクトナーも新大統領になったにも関わらず思わず「大統領閣下」って呼んじゃいますよ。「人類のためではなく娘のために戦う」という台詞には「お、お父様ーー!」ですよ。

ベテランたちがエモーショナルなところを持って行くのが目立つものの、若手たちもそれなりに魅せてくれます。ディランは父を事故で亡くし、母までを目の前で失います。母ちゃんが落ちて行くシーンはちょっと声が漏れそうなくらい、何も出来ない無力さというのが表れてました。デュークとの過去の因縁にはとりあえずパンチ一発かましておき、共闘時には「礼は後か?」「今言っておく!」みたいにいつの間にかバディ感が出てくるのも爽やか。ただデュークには既に相棒のチャーリーがいるため、そこは少しどっちつかずな感じはありますが。元大統領の娘パトリシアが父と同じくかつてはパイロットの道を歩んでいて、父を先導すべく再び飛ぶというのも泣かせます。マイカ・モンローはタンクトップ姿も眩しくて良いです。ナイス・ヒロイン。

もう一人、ヒロインと言えばあの娘ですね!そうです、クイーンです!……いやもうラストでまさか『エイリアン2』になるとは予想外でしたが、エメリッヒと言えば『GODZILLA』の監督でもあるので(ゴジラ映画としてはともかく)巨大生物に襲われる画としてはさすがに見応えあります。昼間のだだっ広い塩原でひたすらスクールバスを追って来る女王の、目的を見失ってないか?とは思うけどヤバい感じ。我に返って自軍機で竜巻を作り球体を奪いに来るという絶体絶命のピンチ。何より女王が単独で責めてくるという滅茶苦茶さには、前作にはなかったラスボスの存在感があって分かりやすい。最期にスーツから半身をベロッと出して死んでいく姿も良いです。

宇宙空間での攻撃、地球のランドマーク破壊のディザスター映像、地球上での大空中戦、エイリアンとの肉弾戦、巨大宇宙船からの脱出、敵宇宙船の破壊、女王撃破、といった見せ場の多さは、盛りすぎ感はあるにせよやはりスゴい。感動スピーチの数まで多いんだけどどれもジーンとくるし、登場人物も多いけどちゃんとそれぞれに決着も付ける。前作とは若干印象が違う感はあるものの、それでもこれは贅沢な続編と言えるでしょう。原題の「Resurgence」は「再起」「復活」という意味ですが、再びやってくるエイリアンの再起と、それを乗り越える人類の復活という二つの側面があるのでしょうね。しかしラストではさらなる知識や技術や力を人類は手に入れることになり、今度はこっちからやったろうかい!みたいなヤクザまがいのことを言い出して終わるんですが……ちょっとマジで恒星間戦争までやる気なのかしらエメリッヒ。真の意味での独立を得るまで、今後も戦いは続く……のかもしれません。

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